千年後のわたしたちへ。

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疫病が流行って
人間が減っていっています。


あした


わたしも
消えてゆくかもしれないし


百年後には


跡形もなく
わたしは消えているのだと
思っています。


千年後の
わたしたちへ


残せるものは
なんでしょうか。


それは
存在するための


地球という
生命の営みだけです。


はたして
わたしたちは


信じてやまない
科学技術やお金で



森や大地や海や空を
つくれるのでしょうか。



この物語に
描かれる千年後のトーキョーには
ヒトがほとんどいません。


そこに
トーキョーがあり
ヒトが何人かいて。


ただ
それだけだけど。


不思議と
千年後のトーキョーは
永遠につづいてゆくような


調和に満ちた
安心感がひろがっています。

  

寺山修司
人間の病気は希望だと
言いました。


調和を乱すほどの
希望が


わたしたちの
生命の源を
壊していることに


わたしたちは
はたして


気がつくことができる日が
くるのでしょうか?

本日の1冊

川上弘美『おめでとう』