哀しみについて。

f:id:mirefugio:20210111211018j:plain


SNSに踊り狂う
幸福協奏曲を
眺めながら。


この
アルバムを聴いている。


わたしが
しあわせ投稿を連発するほど


しあわせだったら


この人の弾く
ピアノの音は


たぶん
まったく
こころに響かないのだろう。



しあわせを
すべてを手に入れるということは
鈍感になるということで。 


たぶん
しあわせではない人の
痛みや苦しみを
わからなくなるということだ。


ビル・エヴァンス
それが怖かったんじゃないかな。


ドラッグに溺れ
ゆるやかな自殺と言われた


彼の生き方は

 
繊細さと優しさを
失わないための
彼なりの処方箋。



だから
こんなにも


この人の音は
最後まで



繊細でやわらかくて
美しいんだよね。




ビル・エヴァンス
踏み外して
ボロボロになりながら
見せてくれた


やさしい景色は
桃源郷のように
うつくしい。


哀しみは
麻薬のように


うつくしさに
魔法をかけてゆく。






本日の1枚

Bill Evans
"You must believe in spring"

愛について。

f:id:mirefugio:20210110111134j:plain



愛とは何か。


結婚していた時の
わたしは


毎日
そのことばかり
考えていた。



結婚というものは
契約であり


多少
支配や義務の
香りがしていて。


世の中の
しあわせの基準に添って


結婚してみた
ものの


結婚生活は
私にとって


本質的な愛とは
ほど遠い


エゴイズムの膨張を
予感させる


不安と恐怖の連鎖に
埋め尽くされる日々だった。


あなたのために
まだいないこどものために
将来のために
老後のために
家族のために
 

そう
繰り返される


家族間のやりとりの
言葉のなかに潜む
エゴイズムに


自分ではない
誰かを守ろうとすれば
するほど


自分自身の本質から
ブレてゆく


自分や
パートナーの姿に


嫌気がさして
わたしはあっさり
逃げてしまった。



家族を守るために不正を行うとか
お金のために
うつくしくない仕事をするとか
お国を守るために
他国に爆弾を落とすとか(笑)


そういう
世の中の愚行は


すべて
このエゴイズムと
虚像の幸福幻想から
生まれている。


それが
連鎖して連鎖して


今の
損得勘定と欲望に溢れた
めちゃくちゃな
世の中ができてるのでは…



気がつくと
途方もない気持ちになるけれど。



ほんとうの愛を
手に入れるためには


孤独を受け入れるところから
はじめれば
よいのではないかしら。



最近は
思っている。


愛とは何か?は


まだ
わからない。


でも
愛は義務でもなくて
支配でもない。


もっと人間が
孤独を受け入れるつよさを持てば
自然と溢れるように
枯渇することのないもの。


長沢節がいうには
愛も人間とともに
進歩してゆくもの。


らしいので
わたしも探してみたい。


どうせ
うまれてきたのだから
真理に近づいてみたいよね。



この人は
ほんとにすごいよ。


哲学者!

📚本日の1冊

長沢節
『大人の女が美しい』

自由について。

保育園にいくのも
小学校にいくのも


泣きわめき
徹底的に拒否するこどもだった。



同じ時間にごはんを食べて
お昼寝をするなんて
馬鹿馬鹿しい。



お母さんが困ろうが
悲しもうが


いやなものは嫌だ。



そう
思っていたけれど。




結局は



流されて、ひとりぼっちは
さびしくて。



みんなとおなじをえらんで
なんとなく


生きてきてしまった。



つまんなそうな顔して(笑)
わざと禁止のパーマをかけたり


朝まで帰らなかったり


先生に反抗してみたり


不満をからだ
いっぱいにためて
わたしはこども時代を過ごした。




こども
と、いうものは


よけいな知識や常識が
あたまにはいっていないぶん


おとなより
自分自身をよく


わかっているのだと思うのです。



なにが好きで
なにが嫌なのか


本能的にほんとうのきもちを
態度に表してゆく。



いま
40才になるわたしが
自分ってなんだい?



問いかけて
思いだし、みつけだしたものは


小学校の校門の前で
必死に抵抗する
自分自身のこども時代の自分。


支配されたくない。
自由でいたい。


拍子抜けするくらい
単純な馬鹿馬鹿しい結論を
導きだしたあと。



この絵本に出会いました。



訳者は矢川澄子さん。


少女らしいうつくしさを
うしなわずに生きた女性。



レレブムはみんなと同じ
灰色になりたくて


努力するけれど
努力したら


透明になって
見えなくなって


自分自身の馬鹿げた努力に
たくさん泣きます。


泣きつづけたら



あらら?


からだがあおいいろに
もどっていました。




作者は
きっと。


お母さん。


こどもの声に耳をかたむけてください。
この子はちゃんとわかっているのですよ。


と。



わたしたちに語りかけてくれているのです。






こどもはわかっている。


型にはめようとする大人に
泣き声で反抗しているはずです。


そして
好きなものには


溢れんばかりの笑顔で。


よろこびと愛を
かたむけてくれているはずです。




わたしは
いつまでもこどもでいたいよ。





レレブムみたいに。



ごきげんな
さかだちとふんすいを。



好きなように
自分らしく。


やりたいこと
好きなことに
 

まっすぐ
すすむ。


かなしい顔をしてる人は
こどもの時の自分を
思い出してみて。


とにかく
ごきげんな人が増えたらいいな。

📚本日の1冊

シュレーダー
ぞうさんレレブム』

透明感。

f:id:mirefugio:20210108223150j:plain


ひとと
生きてゆくということは


多少なりとも
こころがにごる瞬間があって。


こころに
影が差すたびに



誰かのために
生きてゆくのか?


それとも
自分自身のために
生きてゆくのか?


わたしは
葛藤していて
 


うつむいて
泣いてばかりいた。



自分自身のために
生きてゆくということは


孤独を受け入れる
ということで


つないだ手を
はなすということは


もう2度と
戻れないということ。

 

不安と恐怖で
立ちすくんでいた時


ラジオから流れてきた
この声に
出会って


ただ
ただ
溢れるように


私も
透明でいたい。


そう
思いました。


いつも
自分自身のこころに
まっすぐ向き合い


うつくしくありたいと
願うきもちは


肉体を超えた
幸福感を掴む鍵。


歌詞も声も
祈り


そのものであるような
たいせつなもの。


聴くたびに
胸がギュッと
掴まれるくらい


うつくしく
透明な世界の音楽

💿本日の1枚

『Best Selection "blanc"』
by Amier

知るということ。

f:id:mirefugio:20210107203556j:plain


かわいい
翻訳家の女の子から


クリスマスに
絵本をもらった。


わたしが
翻訳したんです。



うれしそうに
渡してくれた。


独立して
もくもくと


じっと
仕事をしてきた


その
女の子をずっと
見てきたから。


叶った夢を
プレゼントしてくれたみたいに


わたしまで
とても
うれしかった。



アンディ·ウォーホルのことを
いろいろ
調べてから


もう1度
見てみる。


世の中には
知らないことがたくさんあって


調べれば
調べれるほど
おもしろい。


アンディ·ウォーホルと
ボブ・ディランの狭間で
薬物中毒で死んじゃった女の子が
でてこないな。


とか
絵本の中にも出てくる
水玉の日本人の



アンディーは
私の真似をしたのよ。と。


発言してる動画を見つけたり(笑)


f:id:mirefugio:20210107212310j:plain


セックスとドラッグに
溢れたファクトリーという
アトリエもでてこない。


あっ。絵本だもんね。
仕方ないか(笑)



とか
たのしい時間は
あっという間にすぎて


仕込みしなくちゃなあ。
 

本との出会いは
新しい扉を開く窓 
みたいなものだ。


時間も空間も
飛び越えて


旅をする。


アンディ·ウォーホルと
ボブ・ディランに愛された


イーディ·セジウィック
残された動画が


あんまりにも綺麗で


なんとなく
矢川澄子に似てるな。



思った。


はかないものは
いつの時代も


どこの国でも
うつくしい。


それは
生命の輝きや
止められない時間への想い。


人間の
本能に組み込まれた
美意識なのかもしれない。

📚本日の1冊

アンディ・ウォーホルをさがせ!』
著者:キャサリンイングラム
絵 :アンドリュー・レイ
翻訳:渡邊真里


エネルギー。

f:id:mirefugio:20210106082254j:plain


人間が
言葉とお金の価値を
手に入れて。


必要のない
未来への不安や恐怖が
生まれてしまった。


でも
 

どうせなら
ののりしあうのではなく
うつくしいことばを紡ぎ合い


どうせなら
もっているすべてのエネルギーを
奪い合うのではなく
与え合いたいよね。


地球や宇宙に
あふれるたくさんのエネルギーに
感謝して


循環させてゆく。


目の前に広がる世界が
すべてであり


そして
すべては


わたしたち
ひとりひとりの
幻想だとしたら


ひとりひとりのちからで
うつくしく、すてきな世界を
つくれるはず。


共鳴する喜びに
からだの周波数を
あわせてゆく。


与えるより多く
うばわずに


調和を保つこと。


そのここちよさに
耳をすませば


そこには
すべてが用意されている。


『ぼくがふえをふいたら』
阿部海太

労働について。

f:id:mirefugio:20210104225100j:plain


自分でお店を
はじめるまでは
もちろん


人に雇われていた。


雇われていた
わたしは


いつも
どこかで
不満を抱え


酒で憂さをはらしたり
恋に溺れてみたり


なかなかの
幸福欠食児童(笑)
問題児だったと思う。




なりたい自分に
なることは


ものすごく
根気のいることで


でも
なんとなく



あの時間が
あったからこそ


今の自分の時間が
輝いていることに
気がつく。


成長には
やはり


順序があって


資本主義が崩壊を迎え
進化してゆくように


林芙美子プロレタリア文学
ほんとうの意味が


労働をしていた
あの頃よりも



今 
よく掴めてきた。


労働のつらさから
ひかりを探す
うつくしさ。


そして
みじかい花のいのちを
輝かせるために


成長してゆく
人間の魂の有り様が


なんとも
おもしろく


物語的である。


さあ
なりたい自分になれたあとは
どうだろう。


林芙美子
男をとっかえひっかえ
したらしいが


わたしは
もう1度。


労働してみたい。



思っている。


なりたい自分なんて
なれてしまえば


それは
現在の自分でしかない。


今を継続するなんて
しんどいだけで
つまらない。


執着せずに
手をはなす。


もっと
ワクワクしたいし
成長してゆきたい。



働くって
なんだかものすごい
チカラをもっている気がする。


やろうと思えば
人間はなんでもできる。


生きることに
不安がなくなった今


わたしは
どんな仕事を
世界に響かせることが
できるのだろうか。

林芙美子
『ピッサンリ』