水族館劇場

お父さんが
学生運動さえしてなきゃ
こんなことにはならなかった。



おばあちゃんは
言う。





権力と
たたかうと
決めた(笑)


父のせいで。


私の家族は
ずっと。


苦労がたえない(笑)





ああ。
意志をもつ生き方。って


こんなに
たいへんなんだ。


と。


苦労しても
ひるまず


前を向いて


はたらきつづける
父の背中を見て



痛いほど
わかっているつもりだ。






女一人の腕で稼いで
生きて行くには。


考えた結果が
茶店だった。




からだをつかい。
あたまをつかい。


稼いでゆく。



いうことは



自分自身のちからに
誇りをもって
生きてゆくということ。



貧乏をしたって
くるしくたって


長いものには巻かれたくない。


今、ある
政治というものに。


期待が持てていませんよ。



と、いう
意思表示を


四谷荒木町で。


高い家賃を、払いながら(笑)


わたしは喫茶店という
形体で表現している。


ことになる。




こうやって
文字にしてしまえば


陳腐な、あほらしい
馬鹿げた抵抗であるのですが。



わたしにとって
私の隠れ家という
ちっぽけな喫茶店
命をかけた


精一杯の
未来への希望と祈りの
表現であります。








なぜ。


急に
こんなことを
書いたのか?(笑)


と、いうと。


それは






14日からはじまる。



花園神社での
水族館劇場の公演。




突然立ち上がるテントと
大量の水。


夢のような
この世のような。


最果てから
見上げるひかりのような。



新宿という
性と食のあふれた
懐の深い町に降り立つ


この世のごろつきたちの物語。



しぼりだすような表現と
政治と権力社会への抵抗。



からくり劇のような
世界観。




芸能。という
もののもつ希望。


うつくしいひかりを
見せてくれるのではないかと。




今から
ドキドキ。


そしてなんだろう。


他人事ではないような


そんな気が
しているのです。





演劇をつづけてゆく
たいへんさ。しんどさをのりこえて。


なんにもなかった場所に
いきなりあんなに
でっかいテントが建ちあがります。





水族館劇場の花園神社公演の
前売り券。


私の隠れ家で
販売しています。



芸能にお金を払うって。


祈りに似ている。



どうか。


みなさま。


おいそがしいとは思いますが
ぜひ!



☆☆☆☆


今度の野戦攻城は新宿である。


あたらしい宿神の舞いおりる場所。


巨大な墓標のように天に向かって林立する
高層ビルの谷間にうずくまる後戸のような隙間。


このあわいに「黒翁のまぼろし」という
砦を組みあげる。


江戸幕府によってひらかれ、
世界一のターミナル駅と発展した新宿の原動力は、
性愛を切り売りして糊口をしのぐ風俗嬢たちの、
もっとも低い場所からの
生きることへの確執にちがいない。


いわずもがな、芸能の原基は売色である。


はるかなる中世から芝居者は夢みるだけでなく、
どんなに貧しくとも
じぶんたちのヘトロトピアを構築してきた。


都市下層のふきだまりに。
海やまのあわいのなにもない野原に。


じぶんたちの歩いてきた道のりや思いを、
じぶんたちとは異なるひとびとの
こころのどこかに
留めておいてもらうことを願いながら。



桃山邑









【公演情報】


この丗のような夢・全

新宿 花園神社 「鄢翁のまぼろし
2017年4月14日から23日
全公演 夜7時劇場外顔見世(プロローグ)スタート
全席自由期日指定 上演時間 約130 分

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木戸錢

前売4000円
電話予約 4300 円 4/13 まで受付。☎ 080-6412-4897
当日券  4500 円  中高生割引券2800 円 観劇当日午後5 時より劇場窓口で発売。
※公演はすべて期日指定の自由席です。当日券も若干ご用意しますが、入場制限する場合も ございます。確実な前売券をお奨めいたします。