とん ことり。

とん
ことり。


本屋さんで
この表紙を見たとき


ピンと
きた。




とん
ことり。


まず
この文字の
かわいらしさと
このひびき。





ページをめくると
そこには
女の子。


あふれる感受性と
少女だけがもつ
見上げる世界。




うしなってゆく
うしなってしまった


さまざまな
感覚。




信じるこころも
だれかを想うきもちも
たぐりよせるちからも


こどもは
おとなよりも
するどい。




うつくしく
繊細な絵は


ちいさなころの
皮膚感覚まで
再現していて。



絵本のなかで
巻きおこる
ちいさな奇跡の足音に。



おもわず
口元がゆるむ。



そんな絵本です。



とん
ことり。


みなさんも
奇跡の足音。


聴きのがさないように



耳を澄ませて
ゆきましょう。






筒井頼子 さく
林明子



とん
ことり