少女。

mirefugio2015-03-15

少女。


頬を撫でる風も
膝でゆれるスカートも


絶妙な
ニュアンスで
ふるえるのです。


20才になる前に


なくなってしまう
少女が纏う
特別な空気。


ただ
感覚として
残る記憶。


大人になる前の
ほんのちょっとだけの時期


私も持っていた


少女の感覚。


手嶌葵さんの声には
なんか


それを
感じるのです。




過ぎた時間を
巻き戻すように


もう一度。


目を閉じて
思い出してみる。


もどかしいような
走り出したいような。


蝶になる前の
さなぎのような。


抑制のきいた


いのちのふるえ。




春の香りがした
冬の終わりの夜。


ラジオから流れる
手嶌葵さんの声に


仕事の手が
止まりました。


春のやわらかい風に
吹かれたら。


春の歌集。


すばらしい作品です。