台所のおと。

mirefugio2015-03-14

台所のおと。


私のおばあちゃんの
台所の音は


夜明け前の
ラジオの音から
はじまる。


ラジオを聴きながら
ゆっくり目を覚ませて


起きたら
まず
縁側の雨戸をあける。


それから
テレビをつけて


朝ごはんを
つくりだす。


おばあちゃんは
びっくりするくらい


同じ
朝ごはんを
ずっと食べている(笑)


でも
それは
とてもおいしい。


おばあちゃんの家に行くと
わたしは


おばあちゃんの
たてる音の
つつましさに


しん


とした
きもちになる。


静かに
ていねいに
暮らす人。


でも
つつましく
暮らしに対する
情熱は秘めている。


そんな
音をたてる人。


わたしは
おばあちゃんみたいに
なりたい。


今日も
おばあちゃんの
編んだセーターと
おばあちゃんのお母さんの
ペンダントをして
お店に立つ。


憧れの人。


近づきたいなあ。



いってるそばから


食器をガチャガチャ
いわせたり


鍋の蓋を
落としたりしている。


道のりは
遠い。


幸田文さんの
台所の音は


どんなだったんだろう。


向田邦子さんの
台所の音も
聴いてみたい。


とりとめのない
空想はこれくらいにして


お店にいかなくては(笑)


朝日射し込む
ドトール
さくさくパンのサンドイッチ。


あたたかな珈琲。


しあわせな朝。


さあさあ
土曜日。


今日こそは。


すてきな
台所の音。


目指します!