ぞろ目の日。

生きている。


ということは
心臓が動いている。



と、いうこと。


動いているということは
ふるえているということ。



ふるえている。


と、いう現象がかさなる。




重なる
たくさんのふるえ。



つぎつぎに
ふるえが伝わり



共鳴し、響きあう。



と、いうことは
世界。


と、いうものは



このふるえ。
のようなものの
集合体。



と、いうことになる。




そのふるえが
恐怖や飢餓や執着に
満ちてゆくとすれば。



世界全体に
そのふるえは
伝わってゆく。




「レコードカッパ」


小澤一雄 作・絵


ポトス出版





わたしたちの
からだのふるえを
調整してゆく。



音、香り、温度、味、質感。



目にはみえない
たいせつなちからをつかって



わたしたちは
自身のからだのふるえを
調整しようと


必死に生きている。




「音楽はいいね。」


レコードカッパというカッパが
でてくるこの絵本。



この
ふるえの本質を
よくとらえてゆく。


どんなときも
どんな場所でも


より良いふるえ。
機嫌よく、自分もまわりのみんなも。


響きあう。


あたたかいふるえの伝え方。



まずは
ひとり、ひとりのふるえから
かえてゆく。




「音楽は愛の言葉だ。」



大好きな本に書いてある
ことば。




ジャック・ティボーのバイオリンの音で
兵士が銃を捨てたように。



へたくそな鼻唄でもいいから。


みんなが
機嫌よくふるえる世界を



一緒につくってゆけたら
いいなあ。




芸術はきっと。
医療や秩序を越えてゆく。



意識が肉体を変えてゆく。



かわいくて
機嫌のよいカッパたちが
おしえてくれることは



はてしなく
わたしたちの
未来を照らしてゆくのです。