ぞろ目の日。

ひらひらと


空から
降ってくるものが
好きです。





風にのって
遠い空から。


大きな木から。


舞いおりて
きえてゆく。



雪や雨。


さくらの花びらや
黄色い落ち葉。



ただ。
舞いおりる


その一瞬のうつくしさに。




輪廻。


という
世界のしくみを
みつけてゆけば。



はじまりとおわりは



すべて。



よろこびに
かわってゆくのかもしれません。




おわってゆく
かなしみや
せつなさも。




どんな瞬間も。



映画のワンシーンのように。


ただ。
廻っているだけ。








ゆき


ユリ・シュルヴィッツ
さくまゆみこ 訳


あすなろ書房




雪が降ることに
無関心な大人と


雪を愛でる
男の子。




雪が降り積もりはじめると
あらわれる。


大人にはみえない
ものたち。




ちらちら おどって
くるくる まわって
ふわふわ あそんで
ひらひら とんで



やがて


まちは
まっしろにかがやきます。





両手を広げて
まっしろな世界を愛でる男の子のすがたに。









桜舞い散る季節の次には
新緑のうつくしい季節。


そうそう。


すべては
ただ。


廻っているだけ。






そうだった。


と。


大人になって
たいせつなことを
わすれてしまっていた
自分にきがつくのでした。







さあさあ
もう一度。


両手をひろげて。



めいっぱい
世界を愛でてゆきましょう。