バトン。

ひとりの女の子が
隠れ家から
旅立つことが
決まりました。


茶店がやりたい。


面接で
そう言う
彼女の姿が


かつての自分と
かさなり


いろんな想いを
抱えながらの
三年という月日。



別れ。


というのは
いつも


突然で。


今回も
かなり動揺しましたが(涙)


しかし
こればっかりは
仕方ない。


どうか
しあわせでいてね。



思っていたら。


突然
電話が鳴り。


働かせていただきたいです。



言われる。


今度は
男の子。


面接で
渡された
履歴書。


うつくしい文章で
書かれた
喫茶論。


茶店


というものが
存在する意味。


考えつづけている。


答えが出せないまま
営みをつづける
わたしと


夢をもつ
若者たちの


あいだに
ながれる


おおきな川。





大学で哲学や美学を
学んできた
青年が書く喫茶論は


ぐうの音も
でないほど


わたしが実践で
もがいてもがいて
つかんできた希望や願いと


おなじことが
書かれていた。


言葉をうしないながら


運命のような


不思議な
感覚をおぼえる。



まさに
めし炊き女と
学者の喫茶論が


私の隠れ家で
交差するのです(笑)



バトン。


さきちゃんから
青年に渡されるバトン。


わたしは
隠れ家にやってくる
若者たちに
翻弄されながらも


茶店という
うつくしさを
つかめるのか?


現実や常識と
たたかいつづける
日々は


終わらないのです。