春のうたがきこえる。

児童文学ゾロ目の日。


絵本作家
ほんまちひろの発案。


ゾロ目の日に
それぞれの児童文学の
お気に入りを
発表するという企画。


第一回目。


市川里美 作


春のうたがきこえる



この絵本に出会ったのは
軽井沢に住んでいた頃。


森の中に
まごめやすこさんという
絵本作家のおばさまが
やっている
ちいさな図書館と本屋さんが
あった。


そこには
近所のこどもたちが
いっぱいいて。


なんか
とってもすてきな
場所だった。


アルバイト代をもって
絵本を買いにゆく。


月に一冊。


ゆっくり吟味して
絵本を買った。


しばらくたつと
まごめさんから


「あなたが買う絵本は
わたしの好きな絵本と
一緒なの」



少女のような笑顔で
言われた。



軽井沢の冬は
厳しく長い。


でも
そのぶん


春がきたよろこびは


思わず
駆け出したくなるような


解放感に溢れていた。




思い出の
まごめさんのお店で
買った一冊。



春のうたがきこえる



大好きな
ページがある。



さいごに ぼくが
ふえを ふいたら
風が でてきた


花が ゆれる
木が うたう


ぼくが かける
友だちも かける





うつくしい日本語と
緻密でデザイン性
あふれる絵。


これって
本当に
こどものための本なのか?



いうくらいの
傑作。




たからものだー。



児童文学ゾロ目の日。



次は
2月22日です。