夏休み日記。

門司港


林芙美子さんが
生まれたといわれる町。


かつて
たくさんの人がいた。


気配がする。


空き店舗や
シャッターが閉まった
商店街。


門司港
レトロ。



名づけられた
観光地。


たいせつな何かが
ぬけおちたような
空虚な空間。


レトロ。


というものの
うつくしさは


磨かれていなくては
でてこない。


愛情をかけて
磨いてはじめて


古いものは
どんどん
輝きを増す。


放浪記。


という
茶店


ここだけは
愛情たっぷり。


ぴかぴかに
磨かれていた。


可愛い古いうつわたちに
盛られたごはんは


とても
おいしかった。


ていねいに
ていねいに


こころをこめて


いろんなものを
磨きながら


生きてゆこう。


門司港の夕日を
見ながら
思う夏休みです。




花のいのちは
みじかくて


くるしきことのみ
おおかれど


風も吹くなり
雲も光るなり



日本の
いろいろな場所で


これから
どんどん
人がへってゆく。


どう
うつくしく
さみしげでなく


町や暮らしを
つつましく
たたんでゆくか


ひとり
ひとり
考えてゆく


時が
近づいて
きているのかも
しれませんね。



もとにもどるだけ。


すこし
さびしいような
気がするけれど


それでも


風は吹くし
雲は光りますよ。



林芙美子さんが
言ってくれてる。



かもなあ。