絵夢。
絵の夢。
と書いて絵夢と読む。
中野ブロードウェイの
穴の中。
小さな喫茶店は
あたたかな光を灯していた。
まだ写真の仕事を
していた頃。
ここの
お母さんの写真を
撮らせてもらったことがある。
かわいく笑う
お母さんの写真。
口元を隠す手は
水仕事をたくさんしてきた
女の人の手だった。
いい写真が撮れた。
と、思って
うれしかった。
あれから10年がたって
久しぶりに中野に来た。
今
お母さんがつくってくれた
しょうが焼き定食を食べて
珈琲を飲んでいる。
おいしいし
あたたかい。
ちなみに
なぜ中野に来たか?
と、言うと
アローカメラの会長の
晴れ姿を見るため。
たのしそうに
歌う会長。
今日、ここにきて
よかった。
なんだか
しあわせな気分になる。