ぞろ目の日。

こいびとのために
しているつもりのことが


じつは
こいびとをたべてしまうことになる。


しまいには
わたしもいなくなって。


なにも
わからなくなる。





「くままでのおさらい」


絵と文 井上奈奈



ぱくぱく、ごっくん。


わたしたちは
いのちを食べて生きています。


それは
あたりまえのこと。


と。されています。



そのいのちを
だれかを愛するためにつかいます。


それも
好ましいこと。


と。されています。



愛すると食べるは
とても似ていて。


好きだから食べる。
自分のものにする。


と、いう感覚に
繋がってゆきます。



きみとわたしの
さかいめは
どこだろう?


食べる。
愛する。


と。
いう。ことを考えるとき。


いつも。
ぶつかる。


この感覚。


食べる。は。殺して生きる。


それでは?
愛するはどうでしょう。


きみのために
わたしが生きることは。


もしかしたら
きみとわたしの可能性を
殺すことになるかもしれない。


自分以外のものにコントロールをかける
おそろしさ。自分以外のものをつかって得る幸福。


井上奈奈さんの絵本を読むときに
いつも感じるこの感覚。


きれいごとではない
ほんとうのこと。


そろそろ
きがつかなければいけないこと。



固定観念をはずして
かんがえてゆく。


道しるべとしての。



くままでのおさらい。



食物連鎖。自然の摂理。



もういちど。
動物や自然から
人間が学ぶべきこと。


いっぱいつまった。


でも。
うつくしく、かわいい絵本。



いやー。
なんといったらよいのでしょうか。


すばらしい仕事すぎて。


しびれます。