AND。

mirefugio2015-12-21

二十歳になる前の
数年間を


わたしは
中目黒で過ごした。


目黒川沿いで
おにぎりを食べ
空を見上げ
おしゃれをしたり
恋をしたり
眠い目を擦りながら
学校へゆき
ミシンに向かっていた。


はじめて
ものをつくりあげる
よろこびを知ったのも
あの頃。


なんにでも
なれるような希望と
なれないような失望を
抱え込みながら


自転車をこいだ
線路沿いの坂道。


その
坂道の途中にある


あの頃はなかった
おしゃれな美容室。


きのう
そこで


髪を切って
もらった。





美容室に行く途中


坂道から見える
東横線にしずむ夕陽。



あれから
15年がたって。


町が様変わりするように
私も変わったのだろうか。


あの頃の自分に。


もう一度
戻れるなら


やりなおしたいことが
あったかな。



考えてみる。


なつかしい風景に
帰ってくると


二度と戻れない日々を
思って


すこし胸が
チクチクする。




ばっさり
切った髪の毛と
後戻りへの道。


つじつまを合わせて
しあわせを
みつけるのも


自分自身なのだ。


くだらない執着や
みっともない自我をすてて


自由になる。


さあ
きょうも!


元気に
がんばります!


22時半
ラストオーダー。


はじめます!