華々花花。

mirefugio2015-12-03

荒木町と
言えば


ばんしゃく奈美。


ばんしゃく奈美の
ママが
奈美さんである。



毛の抜けた
ほうきを使っていたら
怒られたことがある。


あなたねー
みっともないし
効率も悪いわよ。


そのとおりである。


次の日。
階段を上がる
下駄の音。


そこには
あたらしい
ほうきを持った
奈美さんがいた。



凛とした
佇まいに
つやつやの白い肌。


きびしさの中の
本当の優しさを
もった女性。



築地に行くために
早朝に起きて
深夜まで働いている。


立派なひと。




最近


そんな奈美さんが
お花をくださる。


買いすぎちゃったのよ。


そう言って
ぶっきらぼう
渡してくれる
かわいらしい花たち。



うれしくて。


でも
戸惑ってしまう。



うまくお礼も言えないし


わたしには
奈美さんに
してあげられることが
何もない。


いつか
わたしも
あんな風に
なれるのだろうか。


いや
一生かかっても


あの
華やかな佇まいは
手にはいらない。