名盤。
ひっぱりだしてきた
CDのクレジットは97年。
はじめて
自分の稼いだお金で
軽井沢に部屋を借りた頃。
洗濯物を干すのも
お料理をするのも
掃除をするのも
ゴロゴロするのも
ぼーっとするのも
自分の部屋で
好きな音楽を聴きながら
できることが
うれしかった。
生活によりそう
やさしい音楽たち。
時をいつくしむように
暮らしていた
あの頃から
たくさんの
時間がたって
なくしてきたもの
おとしてきたものに
気がついたりもする。
つよくなる。
と
いうことは
鈍感になる。
と
いうことでも
あるんだな。
もう
あの頃みたいに
泣いたりわらったり
あんなに
空がきれいにみえることも
ないような気がする。
きっと
この音楽を
きくたびに
どこにでもあるような
でも
いとしい、いとしい
思い出たちを
胸にかかえて
あたためるように
反芻すんだろうな。
戻らない時間と
取り残された記憶
かわらずに
耀きつづける名盤。