流しのいる町。

mirefugio2012-10-15

隠れ家のある荒木町には
流しがいます。


流しの
しんちゃん。

そして、ちえちゃん。


古い唄。
ギターで唄う
ほろ酔い唄。


気持ちよさそうに唄う
お客さんを見るたび
荒木町に
お店を出してよかった
と、おもうのです。


わたしは
しんちゃんが生きてきた
長い長い歴史をしらないけれど

しんちゃんのギターの音
やわらかな歌声
ギターを持って歩く後ろ姿。


聞くたび、見るたびに
たくさんの物語が
見たこともない記憶が
見え隠れして
なつかしいような
いとおしいような
気持ちになるのです。


きっと
むかし、呑み屋街には
たくさんの流しがいた。


時の流れの中で
繋がる記憶。


あたたかな夜も
哀しみにくれる夜も。


折り重なって
今の荒木町が出来ている。


そのことを
気づかせてくれたのは
しんちゃんでした。


しんちゃんは
今年で、流し55周年。


きのうは
記念のパーティーでした。


おめでとう。
しんちゃん。


たのしい夜を
ありがとう。