ぞろ目の日。

恋や愛。


その感情を抱く
瞬間が


生きているよろこびの
いちばん甘く
うつくしいところ。


なんだよなあ。



「はつ恋」


ツルゲーネフ


小川洋子
絵 中村幸子


角川書店



うまくいかなくても
届かなくても


ひとは
恋をすることを
やめられない。


それは
文学、音楽、絵画、演劇、映画。


それら
すべてに宿る
芸術の官能に似ているし


ときに
哀しみも、喪失
痛みや苦しみまでも


うつくしさに
かえてゆく力をもつ
感情なのだとおもうのです。



感情を燃やし尽くして
生きてゆくよろこびを


たんたんと
最低限のことばと色で
表現した


うつくしい絵本。


せっかく
この世に生まれてきたのだから



沸き上がるような
ひとを愛するよろこびを。


身体中がしびれるような
恋のきらめきも。


たくさんのこどもたちに
知ってほしいな。